昨日は初めてのオンライン講義でした。
講義自体は経験があるので何とか上手くお話が出来るかと思っておりましたが、
オンラインでの講義が初めてで、色々と反省材料も見つかりました。
しかし、この様な少しマニアックな講義にも関わらず、
多数の方々に参加していただき、
また懐かしい生徒さん達にも画面越しで再会出来て、
とても嬉しい気持ちになれました。
50分では中々言いたいことも伝わらず、
少し時間に追われ、本の紹介も余り出来ず、
話したかった事も少し話しきれず…(泣)
次回に頑張ってお話させて頂こうと思います。
主にこの講義では、どの様に演奏すると良いかや、
楽譜をどの様に分析するのかではなく、
なるべく芸術作品の作者の目線に近づきたいとの思いから、
作者の生きていた時代背景はもちろん、
彼らの読んでいた本等を参考にし、作者自身の目線に沿って、
作品を見つめ直したいと思っております。
非常に大変な道のりですし、殆ど不可能なのではないかと思う試みですが、
芸術作品を自分たちの目線で見ることなく、なるべく正しい目線で見つめたいと願っています。
さて、第一回目はピアノを弾く人達、または教える先生方にとって、
絶対に避ける事の出来ないバッハの『インヴェンションとシンフォニア』でしたが、
哲学者プラトンから続く哲学的思想を、ラファエロやバッハがどの様に自らの作品に込めたか、
それ故に、私達は芸術にどの様に向かうべきかを話し合いました。
続く第二回目は『平均律』です。
音楽の世界のみならず、外国語から日本語に訳される言葉には、
いわゆる誤訳が多々ありますが、
このバッハの『平均律』は世紀の大誤訳と言っても過言ではないでしょう。
ピタゴラスの弦の分割論から考え得る調律の問題、そして調性の問題、
何よりも『良く整えられたクラヴィーアの為の』と書かれたタイトル、そしてバッハの注意書き等々。
それらを通じて、バッハは『何』を『良く整えられた』状態にしなければならないと考えたのか…この辺りを皆様と共に考えていければと思います。
YouTube配信ではカット致しますが、なるべく講義後のディスカッションタイムでは、
時間の許す限り皆様と共に芸術や音楽について考えたいと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
イデア・ミュージック・アカデミー学院長
中西誠