第3回音楽講義のお礼と学び

7月下旬からスタートしたオンライン音楽講義、先日9月8日木曜日に第3回目が終了しました。
ご参加くださった皆様、今回も本当にありがとうございました。季節があっという間にうつり変わり、、、もう秋ですね。

第1回目はバッハのインベンション 、第2回目はバッハの平均律を通じてのお話でした。第3回目の今回は、バッハの最高傑作とも言われる『マタイ受難曲』を通じての講義内容でしたが、激しく展開されていくドラマや、そこで揺れ動く人間の内面を表現するために使われているフィグーラ(音型、音の使い方)を、バッハがどれほど巧みに、そしてダイナミックに、あるいは細やかに楽譜の中に書き遺したのか、、、もはや神業としか思えないその凄さに感動しているうちに、あっという間に講義が終わってしまいました。バッハの、神への揺るぎない愛と、神を讃えるために書かれた美しい音楽を、心深く感じることが出来た時間でした。

さて、昨夜は中秋の名月でしたね。綺麗な満月でした。『マタイ受難曲』の中にも月のことを書いている歌詞があります。イエスが、ユダの裏切りによってまさに捕らえられたその瞬間に歌われる二重唱(e-moll ホ短調)の一部です。

 

So ist mein Jesus nun gefangen.

Mond und Licht

Ist vor Schmerzen untergangen,

Weil mein Jesus ist gefangen.

 

かくてわがイエスはいまや捕われたり。

月も光も

痛みなげきて沈みゆきたり、

わがイエス捕われたれば。

 

電気もなかった時代のバッハにとって、月や光はどんな存在だったのでしょう。そういえばバッハは、お兄さんが貸してくれなかった大切な楽譜を夜中に隠れて月の光で写譜をした、という話ものこされていますね。

次回はモーツァルト (9月29日木曜日開催予定)ですが、もうしばらく『マタイ受難曲』を聴いていよう、、、。

 

 

イデア・ミュージック・アカデミー

東海教室主任講師 日野あゆみ