先日の講義は、
ベートーヴェンの作品の中核を成す、
交響曲第5番と第6番についてでした。
どの作曲家も、大雑把に言って、
短調か、長調か、
そして、二拍子か三拍子かで葛藤していたように思います。
ベートーヴェンの作品に於いても、
絶えずその様な葛藤があったように思います。
理想を現実化(音楽化)することに終始悩み続けた作曲家達の、
理念信念に、今更ながら頭が下がる思いです。
強い者、権力のある者、地位のある者に媚び諂うのは、
自分を守るために最善の手段なのかと思いますが、
音楽の為には正反対で、
そこを鋭く指摘して止まないベートーヴェンの音楽は、
絶えず私達の魂を高みへと導いてくれます。
ただし条件付きで。
さて、次回はいよいよベートーヴェンの集大成である、
第九番の交響曲です。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンに至るまで、
一貫して、時代を超え、国を超え、
私達に自分について考える事を促した作曲家達。
第九交響曲を通じて、上記の条件について、
痛烈に私達人間に厳しい問いを投げかけるベートーヴェン。
その問いの意味、そして人間のあるべき姿を追い求める必要性を、
なるべくベートーヴェンの目線でお話出来ればと思います。
予定では一楽章から三楽章の解説、
そして四楽章の歌詞の本当の意味、
そして音楽を聴きながらの考察など、
既にご案内があったかと思いますが、
予定の一時間では不可能で、
今回は一時間半の時間を頂ければと思います。
もちろん途中退席、アーカイブのみのご参加も大歓迎です。
この音楽講座での、ある意味での頂点の一つかと思います。
ベートーヴェンの音楽だけではなく、
音楽全般を見直すために、
是非ご参加頂けますと幸いです。
お忙しい年末だとは思いますが、
ベートーヴェンが理想とした第九とは違った演奏が多々奏される12月に、
ベートーヴェンの『本当の第九』に少しでも迫れればと思います。
イデア・ミュージック・アカデミー
学院長 中西誠