先週、ぎふ・リスト音楽院マスタークラス2025にて、ファルヴァイ先生のレッスンを聴講してきました。

どうしたらあんな風に自然で美しい響きが指先から溢れてくるのかと、ファルヴァイ先生の魔法のような音色に魅了されながら、受講生たちのひたむきで一生懸命な姿に胸を打たれました。

印象的だったのは、技巧的にも大変難しい作品を次々と弾いていかれる受講生に対して、「そんなに速く弾かないで、もっと音を握りしめられるテンポで」「そんなに鍵盤に張り付かないで、音と音の距離感を感じて」「音を正確に弾くより前に、もっとアーティキュレーションに気をつけて」とアドヴァイスされながら、ファルヴァイ先生がとなりで奏でられる響きが〝これがヨーロッパの文化・伝統芸術の全てです〟と言わんばかりのものすごい説得力を持っていたことです。それを必死で吸収しようとされている受講生たちの真剣な態度に大きな感銘を受けながら、今まさに目の前でファルヴァイ先生の〝本物〟の音楽が生きている奇跡に、魂が震えました。

このマスタークラスに声をかけてくれた友人や、企画・運営されておられる方々に心から感謝いたします。日本にいても、このような素晴らしい音楽に触れられる機会がこの先もずっと続きますように…。