昨日、日本を代表する声楽家の永井和子さん(メゾ・ソプラノ)が、
奈良教室を訪問して下さいました。
永井さんとは数十年前?!からのお付き合いで、
何度伴奏させて頂いたか、数えきれませんが、
声楽家として最も重要な役職をいくつも兼任され、ご多忙を極められていたので、やっとお会い出来ました。
共演させて頂いた際には優しくも厳しくご指導して下さり、また、公開レッスンを見学した時、そして普段の会話からも、忘れられない事、忘れてはいけない事を、本当に沢山教えて頂きました。
昨日は数時間でしたが、
相変わらず真面目で真摯に音楽に向かわれる姿勢は、どんなにお偉くなっても変わらず、何となく軽々しくなった最近の音楽界や、音楽教育、そしてコンクール等について、色々とお話して下さいました。
正に自分に厳しく、音楽に厳しく、だからこそ周りにも厳しさ故の本当の優しさに満ちたそのお話は、何故か聞いているだけで涙が溢れそうでした。
そして東京芸術大学の教授を退任される時、周りからこれからどうするのか尋ねられた際、
『私はこれからまた歌い手になる』と言い切られたそうです。
ご多忙の中、ずっとご自分の声と身体をコントロールし続け、やっとこれから思う存分歌われるお姿、凄く楽しみです。
イデア・ミュージック・アカデミー
学院長 中西誠