書こう書こうと思いながら、
いつも後回しになってしまうブログです。
もう秋になりましたが、
今年の夏のコンクールを振り返って、
少し印象的な事を書き留めてみます。
夏のコンクールと言うと、
やはり全国規模のピティナが話題となります。
今年も当アカデミーでは沢山の生徒さん達が出場し、
それぞれに思い出に残る経験をしてくれたと思います。
並びに自分自身も審査をしていて、
毎回の事ながら色々な事を考えてしまいます。
これを考えだすと、何も出来なくなりますが、
そもそも演奏家も審査員も、教師も作曲家の許可なしに、
弾いたり、審査したり、教えたりしています。
バッハらしくない、古典派らしくない、
ロマン派だから、近現代だから、
自分でも無意識にその様な基準を持ってしまいますが、
いつも『で、作曲家から直接聞いたの?』と、
自問自答してしまいます。
そう思いながら審査する中で、
この演奏、作曲家が聞いたら絶対喜ぶだろうな、
と思う演奏に巡り合うと本当に嬉しく勉強になります。
今年はピティナではグランミューズと呼ばれる部門の審査を、
随分久しぶりに担当しました。
色々なカテゴリーがあるのですが、
一番印象に残ったのが、音楽の専門教育等を受けておらず、
また音楽で報酬などを得ていない方々のカテゴリーでした。
皆さん、恐らく普段は音楽以外の仕事をされたり、
中には家庭に入っている方々も多かったと思います。
しかしその中で、ひたすら純粋に音楽をされ、
音楽を愛し、そして楽しんで演奏される方が多くて、
審査をしながら何度も感動し、目がショボショボしました。
本当に信じられない程、感動的な演奏の数々でした。
比較的若い方々の部門の審査も、
若々しいエネルギーと、技術も素晴らしく、
将来性を感じさせる演奏も多くて中々に感心するのですが、
感動までいく演奏はそう多くなく、
皆さんちょっと何かに怒ったようにピアノを弾き、
楽しんで演奏している方は少ない印象でした。
自分の生徒さん達には、
なるべく『ここはこの様に弾きましょう』等と、
決めつけるようなレッスンは避けているつもりですし、
何より大切なのは作曲家への愛情と共感、
そして楽譜から何を読み解くかであって、
それが無いとその先に説得力のある演奏が出来ないし、
何かコピーされた演奏は心に響かないと思い、
たまには数時間、話だけで終わるレッスンも度々あります。
特にコンクール対策等、決してしない中で、
何人もの生徒さんが通過してくれたのは奇跡だと思いますし、
プレ特級ファイナリストまで進んだ本荘悠亜さんや、
名古屋のB級本選でギリギリ全国には行けなかったものの、
見事『あしなが賞』を受賞してくれた小学四年生のⅠ君は、
とても印象に残る受賞となりました。
やはり普段のきちんとした勉強が大切で、
音楽に対する価値観と美意識を正しく持つのは、
コンクール対策だけでは難しく、
総合的に芸術としての音楽を伝えていかないとダメだなと、
強く思った夏でした。
今はもう秋です。

イデア・ミュージック・アカデミー
学院長 中西誠